泌尿器科で扱う主な疾患

診療外来の方

診察外来、施設のご案内および当院で行う治療と疾患の説明です。


外来受付時間

地域に根ざし、笑顔であたたかくきめ細やかでこころのこもった応対を心がけております。
また、患者さまひとりひとりにあわせ、ふれあいの気持ちを大切にした、より良い看護に努めております。

受付時間診療時間
8:00~11:008:30~12:00
時刻注意
休診
13:30~17:0014:00~17:30往 診 手 術休 診休 診
※都合により変更の場合があります。
※突発的な休診日の内容は、おしらせ(トップページ)をご確認下さい。
土曜日の診療時間は午前8時30分から、受付終了は午前11時半までになります。

当院を受診される方

はじめて診療を受けられる方で、保険診療のご希望の方は健康保険証を必ずお持ち下さい。また、再診の方でも毎月最初の診察の日にご提示下さい。 また、初診時に診察券をお渡ししますので、次回から受付にご提示下さい。

ご来院時

ご予約 受診時のご予約は不要です。そのままお越し下さい。
お持ち
いただくもの
・健康保険証(月初めにも必要です)
・おくすり手帳
・(他院からのご紹介の場合)ご紹介状
・その他お問い合わせください
駐車場 当院東側に30台分設置しています。
その他 緊急の手術等、やむを得ず外来の患者様をお待たせする場合があります。
ご理解とご了承をお願いします。

診療外来のながれ

  1. 受付で症状を簡単にお伝え下さい。保険診療の方は保険証をご提示下さい。
  2. 問診表にご記入願います。(以前の治療内容、アレルギー、ご使用のお薬、常備薬、健康食品についてもなるだけ詳しくご記入下さい)
  3. 看護師による予診をおこないます。病状についてお気づきの点を看護師に告げて下さい。
  4. 必要に応じて尿検査を行います。
  5. 順番が来ましたら、診察室にご案内いたします。診察室や処置室などで適切な診断をおこないます。
  6. 診療後、会計がすみましたら、必要に応じて院外処方箋をお渡しいたします。

一般名処方加算

「一般名処方加算」とは、お薬の「商品名」ではなく「有効成分」を処方箋に記載することです。

当院では、患者様に適切に医薬品を提供するために、処方箋には、医薬品の「商品名」ではなく、有効成分を元にした「一般名処方」を実施しています。

これにより、特定の医薬品の供給が不足した場合であっても、患者様に必要な医薬品の提供がしやすくなります。

明細書発行体制等加算

当院では、医療の透明化や患者様への情報提供を積極的に推進してゆく観点から、領収書の発行の際に、個別の診療報酬の算定項目のわかる明細書を無料で発行しております。

明細書の発行を希望されない方は、受付はその旨をお申し出ください。

※基本的に全員の方に明細書の発行を行っております。

医療情報取得加算

  1. オンライン資格確認を行う体制を有しています。
  2. 正確な情報を取得・活用するためマイナ保険証の利用にご協力ください。
  3. 公費負担受給者証についてはマイナンバーカードでは確認できませんので、必ず原本をお持ちください。

医療DX推進体制整備加算

医療DXを通じた質の高い診療提供を目指しています。

  1. オンライン資格確認システムにより取得した医療情報を、診察室等で閲覧・活用できる体制を実施しています。
  2. マイナ保険証(マイナンバー保険証利用)を促進しています。
  3. 電子処方箋の発行や電子カルテ共有サービスなどの取り組みを実施してまいります。

令和6年6月1日

当院の医療設備

当院では、患者の皆様の迅速な治療と生活の質の向上のため、最新の医療設備を設置しています。

設備名称 写真 設備の説明
内視鏡室
経直腸
超音波検査系統的
前立腺針生検
膀胱鏡は軟性のもので、苦痛はほぼありません。超音波で前立腺の状態を確認した後、直腸内腔から直径約1.5 mmの針を前立腺に向かって約10箇所刺し、前立腺の組織を採取します(穿刺する数は患者さんによって異なります)。 検査は約10分程度で終了します。通常局所麻酔下に行います。
(参考)前立腺生検
超音波診断装置 超音波を対象物に当てて、その反射を映像化することで対象物の内部の状態を調査することのできる画像検査法の装置です。
レントゲン室 清潔で安全なレントゲン室です。
手術室 豊富な経験のもと、内視鏡学や光学技術先進技術等を導入した手術を施行しています。
AMS GreenLight HPSレーザーシステム 従来に比べより高い安全性で、術後早期にカテーテル抜去が可能といった点があります。
多様な症例における安全性と有効性が数多く報告され、技術面において、他のレーザーシステムと異なります。 宮崎市内で初めての導入です。

当院で行う治療の内容の例

腎・泌尿器系 腎・泌尿器系領域の一次診療一次診療とは常的な疾病を対象とする総合外来診療のことです。
膀胱鏡検査 細長い管の先にカメラと照明がついた器具を使って行う検査です。膀胱鏡検査では、膀胱内部を見ることができるように、膀胱鏡の管が尿道から膀胱へと挿入されます。 カメラからモニターに映像が映し出されることによって、医師が確認することができます。
血液透析透析療法についてを参照してください。
膀胱悪性腫瘍手術 膀胱腫瘍は良性のものが少なく、ほとんどが悪性腫瘍、つまり膀胱がんということになります。膀胱がんの手術には大きく次の3つの種類があります。
  • 経尿道的膀胱腫瘍切除術TUR-Bt
    • 比較的浸潤度の低い表在性の膀胱がんの場合です
    • 通常半身麻酔下に行います
    • 乳頭状の腫瘍を電気切除機器で取り除きます
    • 通常手術の翌日から、食事、歩行が可能です
  • 膀胱全摘除術
    • 比較的浸潤度が高いか、悪性度の高い表在性の膀胱がんの場合です
    • 膀胱を摘出するだけでなく骨盤内のリンパ節も取り除く手術です
    • 男性では前立腺や精嚢腺も摘出します
    • 女性の場合、尿道や子宮・膣の一部も同時に摘出する場合があります
    • 腸管の一部を利用して尿路変更(尿の通り道の作り直し)の必要があります
  • 尿路変更
    • 膀胱を摘出すれ際には、尿路変更と言い、新たに尿を体外に出す処置です。
    • 患者様の病状を厳密に考慮し、適切な施術方法を選択します。
    • 尿路変更一般的には大きくわけて三つの方法があります。

  • 尿管皮膚瘻法
  • 回腸導管法
  • 代用膀胱造設法
前立腺肥大症・感染症・がんの治療 前立腺は男性にのみ存在する器官で、前立腺液の分泌や精嚢から分泌された精嚢液を精巣で作られた精子と混合し精液を作り、射精における収縮や尿の排泄なども担っています。
尿失禁の治療 大きく別けると、次の4つに分類されます。
  • 腹圧性尿失禁
  • 切迫性尿失禁
  • 溢流性(いつりゅうせい)尿失禁
  • 機能性尿失禁
【検査】
排尿日誌を数日間つけていただくこともあります。ほとんどの場合、検尿とパッドテスト、エコーによる残尿量測定といった身体に負担のない検査を行います。
【治療】
程度の軽い腹圧性尿失禁のときは、骨盤底筋体操で尿道のまわりにある外尿道括約筋や骨盤底筋群を強くすることで、かなりの改善が期待できます。 その他、ポリプロピレンメッシュのテープを尿道の下に通してサポートするという手術を行うこともあります。
緩和ケア 医療用麻薬によるがん疼痛治療 厚生労働省の医療用麻薬適正使用ガイダンスにしたがって、がんの強い痛みを緩和します。 がんの痛みのような、強い痛みがある人が、医師の指導のもとで医療用麻薬を使用すれば中毒にならないということが、科学的に証明されております。 中毒になるかどうかには、脳内のドパミンという神経伝達物質(気分を高揚させる作用があります)が関与しています。
医療用麻薬の主な副作用は次のとおりです。
  • 便秘
    • 下剤(緩下剤)センナなどが使用されます。
  • 吐き気
    • 吐き気止め(緩下剤)の、プロクロルベラジンなどが使用されます。
  • 眠気
    • 眠気の多くは、しばらく医療用麻薬を飲み続けると消失します。しかし、眠気が気になる場合は医師や薬剤師、看護師に相談してください。
がんに伴う精神症状のケア

がんの療養中は、痛みや吐き気、食欲低下、息苦しさ、だるさなどの体の不調、気分の落ち込みや絶望感などの心の問題が患者さんの日常生活を妨げることがあります。 これらの問題はがんの療養の経過中、程度の差はあっても多くの患者さんが経験します。

今までのがん医療の考え方では、「がんを治す」ということに関心が向けられ、医療機関でも患者さんの「つらさ」に対して十分な対応ができていませんでした。 しかし、最近では、患者さんがどのように生活していくのかという「療養生活の質」も「がんを治す」ことと同じように大切と考えられるようになってきています。

患者さんを「がんの患者さん」と病気の側からとらえるのではなく、「その人らしさ」を大切にし、身体的・精神的・社会的・スピリチュアル(霊的)な苦痛について、 つらさを和らげる医療やケアを積極的に行い、患者さんと家族の社会生活を含めて支える「緩和ケア」の考え方を早い時期から取り入れていくことで、 がんの患者さんと家族の療養生活の質をよりよいものにしていくことができます。

その他 在宅における看取り ご希望の方は、在宅における看取りにおいて、スタッフ間の連携・協力のもと、以下のことを行います。
  • 医師
    • 看取り時期の判断
    • 家族への説明
    • 緊急時、夜間帯の対応と指示
    • 各協力病院との連携、調整
    • 定期的カンファレンス開催への参加
    • 死亡確認、死亡診断書等関係書類の記載
      (医師法第20条に関わる死亡診断書及び死亡検案書の作成に基づく)
  • 訪問看護師
    • 医師や協力病院との連携強化
    • 看取りにあたり多職種協働のチームケアの連携強化
    • 緊急時、夜間帯の緊急マニュアルの作成と周知徹底
    • 看取りに携わる全職種への死生観教育と他職種からの相談機能
    • 看取り期における状態観察の結果に応じて必要な処置への準備と対応
    • 疼痛緩和
    • 家族への説明と、その不安への対応
    • 定期的カンファレンスへの参加

※治療内容は症状により最適な方法を選択しますので、必ずしも上記のままではありません

診療日カレンダー

2024年11月23日(土)
*** 本日は午後休診日 ***

日曜祝日午後休診休診日当番医
日曜祝日は当番医の場合がございます。
予定外休診の場合がございます。
※おしらせでご確認ください。
おしらせの確認
アクセスマップ
外来受付時間

コラム

前立腺肥大症のチェック

前立腺肥大症の頻度は、年齢とともに増加します。組織学的な前立腺肥大は、30歳代から始まり、50歳で30%、60歳で60%、70歳で80%、80歳では90%にみられます。 しかし、前立腺の肥大と排尿症状を伴い、治療を必要とする、いわゆる前立腺肥大症の頻度は、その1/4程度と言われています。

前立腺が肥大する原因はまだはっきりとは解明されていません。しかし、「男性ホルモンの働き」が関与していることは間違いなく、中高年になって男性ホルモンを含む性ホルモン環境の変化が起こることにより、前立腺が肥大すると考えられています。

前立腺肥大症では、排尿症状(排尿困難をはじめとする、尿を出すことに関連した症状)、蓄尿症状(尿を貯めることに関連した症状)、排尿後症状(排尿した後に出現する症状)がみられます。

前立腺肥大症の問診では「国際前立腺症状スコア(IPSS)」という、質問票を使うことがあります。おおよその状態の把握ができます。個人でもチェックできるように作成しましたので、一度試してみて下さい。


過活動膀胱のチェック

おしっこが急にがまんできない、トイレが近い、我慢できず漏れてしまうことがあるなどの症状で悩んでいらっしゃる方は意外と多く、 40歳以上の男女の8人に1人が頻尿の悩みを持っていると言われています。つまり、日本で800万人もの患者さんがいらっしゃる計算になります。 この中で、半分の方はおしっこが漏れてしまう、いわゆる切迫性尿失禁であることがわかっています。

原因として「神経因性」と「非神経因性」がありますが、いずれにせよ今は「薬による治療」、「行動療法による治療」、「電気刺激による治療」など治療法も確立してきました。

下の『過活動膀胱自己チェックテスト』を試して下さい。現在のあなたの状態を数値で確認できます。

もしも症状があると判定されたら、医師に相談することをおすすめします。


慢性腎臓病(CKD)- eGFR(推算糸球体濾過量)のチェック

腎機能の指標として上記の血液中のクレアチニンが用いられますが、クレアチニンは、筋肉量に比例することから、男性の方が女性よりも高く、 子どもよりも大人の方が高くなります。またクレアチニンは、食事の影響や、腎臓以外の因子の影響を受けにくいですが、糸球体ろ過値(GFR)が だいたい2/3程度まで低下しないと基準値を 超えるような高値を示さないことがあり、そのため、早期の腎機能異常を見過ごしてしまうことがあります。

したがって、直接腎臓の機能(糸球体濾過量:GFR)を測定しますが、糸球体濾過量の検査は、とても複雑で時間を要するため、日常の検査では、 計算式によって算出されるeGFRを腎機能のスクリーニング検査として用いています。

eGFRは、血液中のクレアチニン量と年齢、性別などから算出されるため、性別や年齢が考慮されております。 下のボタンから血液検査のクレアチニン量などを入力してeGFRを計算することができます。

ただし、eGFRはあくまでも推定値ですので、診察上では、クレアチニンクリアランスやイヌリンクリアランスなどの腎機能を評価する検査と併せて評価します。


血液検査と慢性腎臓病(CKD)

腎臓は糸球体で血液をこし出して尿へ老廃物を捨て、体内を清浄に保つ「濾過器」のような臓器です。
腎臓の機能は、「老廃物を濾過する力」で評価しますが、それを直接測定することは簡単でないために、さまざまな評価方法を用います。(※参考)腎臓のはたらき

腎機能に関するおもな血液検査

血液検査 基準値 検査内容の説明
尿素窒素(BUN、UN) 8.0~20.0mg/dl 尿素窒素はエネルギーとして使われたタンパク質の燃えカスで、そのときに生じるアンモニアを無害化するために、二酸化炭素と結びついた結果できたものです。腎臓からろ過されて尿中に排出されます。血清成分からタンパク質を取り除いた残りである残余窒素の30~40%を占める成分です。
  • 腎機能のはたらきが衰えると、ろ過しきれない分が血液中に残り、尿素窒素の値が上昇します
  • 脱水やむくみ、尿路結石や尿路の腫瘍などの閉塞性尿路疾患があると、尿中の尿素窒素が血液に逆流して高値になります
  • たんぱく質のとりすぎ、感染症、がん、糖尿病、甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)、消化管出血などで、尿素窒素がつくられすぎて血液中の尿素窒素が上昇します。
  • 肝臓で合成され肝硬変や劇症肝炎など肝不全の状態になるとつくられる尿素窒素が減って低値になります
  • たんぱく質の摂取不足も尿素窒素の量が低下します
  • 食事やむくみなどの生理的変動の影響を受けるので、クレアチニンや尿検査などの検査結果とあわせて判断します
クレアチニン(CRE) 男性0.65~1.09mg/dl
女性0.46~0.82mg/dl
eGFR値 90以上
筋肉中の物質からできる老廃物で、腎臓でろ過されたあと尿中に排出されます。このクレアチニンの量は、筋肉や運動量と関係しているといわれます。 血液中のクレアチニンの濃度は、腎機能をみる指標となります。
  • 一般に女性より男性のほうが高値に出ます
  • 筋肉量が落ちてくると、クレアチニンの量も減少します
  • 妊娠すると、尿から排泄するクレアチニンの量が多くなるために、値が低くなります
  • 筋肉量が落ちてくると、クレアチニンの量も減少します
  • 腎機能に障害があると、排泄量が低下して、血液中のクレアチニンの値が上昇します
  • 基準値を上回って高値になるときは、急性腎炎、慢性腎炎、腎不全のほか、尿路結石などの 尿路閉塞疾患(にょうろへいそくしっかん)、心不全などの病気が疑われます
  • ショックや脱水などでも血液中のクレアチニンが高値になります
  • クレアチニンが低値の場合は、尿崩症、筋ジストロフィーなどの病気が疑われます

※(ご参考)eGFR(推算糸球体濾過量)について

腎機能の指標として上記の血液中のクレアチニンが用いられますが、クレアチニンは、筋肉量に比例することから、男性の方が女性よりも高く、 子どもよりも大人の方が高くなります。またクレアチニンは、食事の影響や、腎臓以外の因子の影響を受けにくいですが、糸球体ろ過値(GFR)が だいたい2/3程度まで低下しないと基準値を 超えるような高値を示さないことがあり、そのため、早期の腎機能異常を見過ごしてしまうことがあります。

したがって、直接腎臓の機能(糸球体濾過量:GFR)を測定しますが、糸球体濾過量の検査は、とても複雑で時間を要するため、日常の検査では、 計算式によって算出されるeGFRを腎機能のスクリーニング検査として用いています。

eGFRは、血液中のクレアチニン量と年齢、性別などから算出されるため、性別や年齢が考慮されております。 下のボタンから血液検査のクレアチニン量などを入力してeGFRを計算することができます。

ただし、eGFRはあくまでも推定値ですので、診察上では、クレアチニンクリアランスやイヌリンクリアランスなどの腎機能を評価する検査と併せて評価します。

尿酸(UA) 男性3.6~7.0mg/dl
女性2.7~7.0mg/dl
細胞が壊れたりエネルギーの代謝によってプリン体という物質が分解されて生じた老廃物です。 尿酸といえば痛風の原因物質として知られていますが、尿管結石や腎障害の原因になることがあります。
  • 高い値を示すときは、動脈硬化が進みやすい状態であることを示しています
  • 一般に女性よりも男性のほうが高値になりますが、女性も更年期をすぎて女性ホルモンが低下すると、男性の値に近くなります
  • 男女とも7.1mg/dl以上になると「高尿酸血症」と診断されます
  • 高尿酸血症が起こる病気の代表は、痛風です
  • 腎不全、白血病、悪性リンパ腫などの病気で、値が高くなります
  • 低値を示す病気には、重症の肝障害などがあります
  • 一般に50~60ml/分で軽度の腎障害とされ、30ml/分以下では高度の腎障害と診断されます
クレアチニン・クリアランス(CCR) 70~156ml/分(酵素法)
  • 高値になる場合に考えられることは、初期の糖尿病、先端巨大症、妊娠などが考えられます
  • 検査値が低い、つまり、ろ過された血液量が少なければ、腎臓の老廃物を取りのぞく能力が低下して 糸球体腎炎、腎硬化症、糖尿病性腎症、膠原病(こうげんびょう)による腎障害、尿路閉塞による腎障害などが疑われます
  • 一般に50~60ml/分で軽度の腎障害とされ、30ml/分以下では高度の腎障害と診断されます。

慢性腎臓病(CKD)について

慢性腎臓病(CKD)とは慢性に経過するすべての腎臓病を指します。
あまり耳にしないかもしれませんが、実は患者さんは1,330万人(20歳以上の成人の8人に1人)いる(*)と考えられ、 新たな国民病ともいわれています。
メタボリックシンドローム(生活習慣病)との関連も深く、誰もがかかる可能性のある病気です。 腎臓は体を正常な状態に保つ重要な役割を担っているため、慢性腎臓病(CKD)によって腎臓の機能が低下し続けることで、さまざまなリスクが発生します。

エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013(一般社団法人 日本腎臓学会)
■症状
  • 夜間に何度もトイレに行きたくなる(頻尿)
  • 靴や指輪がきつく感じる(むくみ)
  • 立ちくらみや貧血が起こりやすくなる(貧血)
  • 疲れやすく、常にだるい(倦怠感)
  • 少しの運動で息が切れる(息切れ)

※これらの症状が自覚されるときは、すでにCKDがかなり進行している場合が多いといわれています。
※体調の変化に気をつけているだけでは早期発見は難しいといえます。

■CKDの診断-早期発見のために
  • 尿検査によるタンパク尿と、血液検査による血清クレアチン値をもとにeGFR(下記参照)によって判断できます。
  • 定期的に健康診断を受け、尿や血圧の検査をすることが早期発見につながります。
  • 尿たんぱく陽性の方は要注意ですので、病院でくわしい検査を受けるようにしましょう。
  • 検査時には下の項目に注意します

腎臓のはたらきは糸球体濾過量(GFR)という値で表します。GFRは糸球体で作られる原尿の量で、腎臓のはたらきを示します。GFRの数字が小さいほど 腎臓の尿を作る能力が低下しているといえます。なお、実際にGFRを計測するのは難しいため、通常は血清クレアチニン値と年齢から算出するeGFRが用いられます。

■CKDが進行すると
  • 脳卒中や心筋梗塞など心血管病発症のリスクが高まる
  • 慢性腎臓病(CKD)が進行して腎不全になると体内から老廃物を除去できなくなり、最終的には透析や移植が必要になります。

※ある程度まで悪くなってしまうと、正常な状態への回復は難しいですが、生活習慣の改善、薬物治療で病気の進行を遅らせることが期待できます。
  ※定期的に健康診断を受けることで、慢性腎臓病(CKD)の早期発見と予防に努めることが重要です。

■CKDの予防と治療
  • 生活習慣を改善しましょう
    • 日常のなかで運動をする工夫をしましょう
    • 禁煙・禁酒を心がけましょう
    • 毎日血圧をはかる、定期的に体重をはかるなど自己管理に努めましょう
  • 食事を改善しましょう。
    • 塩分の多い食事を控えましょう
    • タンパク質を取りすぎないようこころがけましょう
    • (ステージが進行したら)カリウムの摂りすぎに注意します
    • 間食や不規則な食事をなるだけ控えましょう
    • 栄養バランスの悪い食事を控えましょう
  • 自己診断をせず治療を継続します。CKD治療の3本柱
    • 生活習慣の改善
    • 食事療法
    • 薬物療法-主治医とタッグを組んで治療しましょう
  • CKDと診断されたら、合併症を治療します
    • 腎性貧血…疲れやすい、めまい、頭痛、むくみ、食欲不振
      • 処方:赤血球造血刺激因子製剤
    • 高血圧…全身の血管にダメージ
      • 処方:高血圧症治療薬
    • 水分の貯留…高血圧やむくみ
      • 処方:利尿薬(水分やナトリウムの排泄をうながす)
    • 高血糖(糖尿病)…糖尿病性腎症の原因
      • 処方:糖尿病治療薬
    • 脂質異常症…動脈硬化を進行
      • 処方:脂質異常症治療薬(LDLコレステロールを抑える)

泌尿器科で扱うおもな疾患

泌尿器科ではおもに腎臓、尿道、前立腺、膀胱等の尿路系と男性生殖器系の診療と治療をおこないます。 ここでは、泌尿器科でよく取り扱う疾患についての原因と症状、検査法と治療法についてごく簡単に説明します。

■腎臓と尿管
腎臓の主な機能は血液を濾過し、老廃物や水分を尿として体の外へ追い出すことです。他にも血圧を調整したり、体液量を調整したりします。 また尿管は腎臓で作った尿を膀胱に運ぶ管のことです。
病名症状検査と治療法など
腎臓がん 腎臓は初期の段階ではほとんど症状が現れません。そのため健診・人間ドックの腹部超音波検査やCTなどで見つかることが多いがんです。日常においては、以下の症状が見られます。
【症状】
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • だるさ
  • 発熱
  • 息切れ
  • 手足のむくみ
【検査】
腹部超音波検査、胸腹部CT、血液検査、尿検査など
【治療】
  • 手術
  • 放射線療法
  • 抗がん剤など
から適切な治療・施術を行います。
腎盂(じんう)
尿管がん
腎盂とはは腎臓の一部で、尿管は腎臓と膀胱をつないでいる長い管のことです。どちらも、腎臓でつくられた尿を集めて膀胱に運ぶ働きをしており、腎臓と同じように左右に1つずつあります。
【症状】
  • 血尿
  • 腰、背中、わき腹の痛み
  • 排尿時の痛み
  • 頻尿など
【検査】
膀胱鏡検査、尿細胞診検査、胸腹部CT、排泄性腎盂造影、血液検査、腹部超音波検査、逆行性腎盂造影、尿管鏡検査、尿検査など
【治療】
  • 手術
  • 放射線療法
  • 抗がん剤など
尿路結石 尿の通り道である腎杯(じんぱい)・腎盂(じんう)・尿管・膀胱・尿道をまとめて尿路といいます。この尿路にできた結石が、尿路結石です。
【症状】
  • 腰背部・側腹部・下腹部の激痛
  • 鼠径部(そけいぶ)・外陰部への放散痛
  • 血尿
  • 吐き気
  • 嘔吐など
【検査】
尿検査、腹部超音波検査、レントゲン検査、経静脈的腎盂尿管造影、CT検査など
【治療】
  • 自然排石(小結石の場合)
  • 体外衝撃波結石破砕術(衝撃波を体内の結石に収束させ破砕)
  • 経尿道的結石除去術(尿管鏡を用いてホルミウムヤグレーザーなどで結石を破砕除去)
  • 経皮的結石除去術(内視鏡による摘出または超音波装置による破砕吸引)など
腎盂炎 急性腎盂炎は上記疾患に比べ、比較的簡単に治療することができますが、放置していると慢性慢性腎盂炎に至る可能性もあります。
1.急性腎盂炎
【症状】
細菌による炎症が原因とされる急性腎盂炎は、おもに細菌が膀胱から尿管へと上って腎臓にいく「上行性感染」です。
  • 悪寒やふるえ
  • 高熱
  • 側部・背部の痛み
  • 食欲不振
  • 頻尿や排尿痛など
2.慢性腎盂炎
【症状】
急性腎盂炎が完治しないと腎盂に入った細菌が腎臓内部にまで入り込み、尿細管に障害を起こして慢性腎盂炎へと移行してしまいます。
  • 発熱
  • 腰痛
  • 倦怠感など
【検査】
尿検査、レントゲン検査、膀胱造影罪検査、血液検査など
【治療】
1.急性腎盂炎
  • 抗生物質による抗菌薬治療など
【治療】
2.慢性腎盂炎
  • 抗生物質による抗菌薬治療
  • 施術(尿通過障害等があれば)など
■膀胱
腎臓から送られてくる尿を一時的に溜める袋状の器官です。一般成人で一回あたりおよそ200~400cc、一日あたりおよそ100~1500ccの排尿量があります。 膀胱がんなどの悪性疾患から過活動膀胱や神経因性膀胱などの良性に分類される疾患などがあります。
病名症状検査と治療法など
膀胱がん 尿路上皮ががん化することによって引き起こされます。そのうち大部分(90%以上)は尿路上皮がんという種類ですが、まれに扁平上皮がんや腺がんの場合もあります。
【症状】
  • 赤色や茶色の尿が出る
  • 頻尿や尿意切迫感
  • 排尿時痛や下腹部の痛み
  • 背部痛(水腎症の併発)など
【検査】
  • 膀胱鏡検査
  • 尿細胞診
  • 腹部超音波(エコー)検査検査
  • CT検査
  • MRI検査
  • 骨シンチグラフィ
  • TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)など
【治療】
大きく分けて2つの方法があります。
  • 外科的治療
    • TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)
    • 膀胱全摘除術+尿路変向術
  • 化学療法:全身抗がん剤治療
  • 放射線治療
  • その他の治療:膀胱内注入療法など
    • 抗がん剤注入療法
    • BCG(ウシ型弱毒結核菌)注入療法
神経因性膀胱 脳からの何らかの障害のため、排尿を促す膀胱や骨盤内の筋肉に指令に異常をきたする排尿障害のことです。 障害の原因には外的要因として、認知症・パーキンソン病・脳卒中・ 脳髄膜炎・頭部外傷が、脳と脊髄の障害として脊髄小脳変性症が、多発性硬化症が脊髄の障害として脊髄損傷・頸椎症(けいついしょう)・ 二分脊椎・脊椎腫瘍・脊椎の血管障害・脊椎炎などが、 末梢神経の障害として糖尿病性神経症・腰椎椎間板)ヘルニア・腰椎分離症・子宮がんや直腸がんなどの骨盤腔内手術などがあげられます。
【症状】
  • 頻尿
  • 尿失禁
  • 排尿困難
  • 尿閉
  • 排便の異常
  • 性機能障害など
【検査】
  • 尿検査
  • 膀胱鏡検査
  • 腹部超音波(エコー)検査検査
  • CT検査
  • MRI検査など
【治療】
排尿障害に対しては、膀胱を刺激することで排尿を試みる間欠的自己導尿法の指導を、間欠的自己導尿法ができない場合には 尿道カテーテルという管を留置します。また薬物療法や膀胱拡大術、尿道周囲コラーゲン注入術・スリング手術、経尿道的手術などを行う場合もあります。
急性膀胱炎 原因のほとんどは、尿道から侵入した細菌の感染が原因で起こり、その多くは大腸菌によるものです。 とくに女性に起こりやすい病気です。 誘因としては、長時間トイレをがまん・性行為・過労などによる抵抗力の低下・ストレスなどがあげられます。
【症状】
  • 頻尿
  • 排尿時の痛み(排尿終了時の強い痛み)
  • 尿のにごり
  • 残尿感
  • 下腹部痛
  • 尿失禁
  • 血尿など
【検査】
  • 尿検査
  • 血液検査
  • 腹部超音波検査
  • 残尿測定エコーなど
【治療】
抗菌薬(セフェム系やニューキノロン系など)を3日~1週間程度内服します。通常は、1週間以内に症状が改善します。また、治療中は十分な水分摂取を心がけ、尿量を増やすようにします。
過活動膀胱 頻尿や尿失禁の分野における新しい診断名です。主に自覚症状に基づいて診断されますが、尿意切迫感(排尿したくて我慢がきかない状態)を自覚する場合、過活動膀胱の状態にある可能性があります。
排尿筋が過剰に活動することが、原因であり、神経因性と非神経因性に大別されます。神経因性とは、神経になんらかの障害がある時にみられます。非神経因性とは、前立腺肥大症などの下部尿路通過障害や加齢変化、骨盤底筋障害などで生じます。
【症状】
  • 頻尿
  • 切迫性尿失禁
  • 睡眠不足など
【検査】
  • 腹部超音波検査
  • 膀胱内圧検査
  • OABSS(過活動膀胱症状スコア)による問診
過活動膀胱の評価法(OABSS)を下のボタンを押してチェックしてみましょう。


【治療】 薬物療法と行動療法が主体です
  • 薬物療法
    • 抗コリン薬(アセチルコリンのはたらきを弱める)
    • α1受容体遮断薬(前立腺肥大症が原因の時)
  • 行動療法
    • 生活指導
    • 排泄介助
    • 膀胱訓練
    • 理学療法
■前立腺と尿道
前立腺(ぜんりつせん)は、器官の一つで、男性のみに存在する生殖器です。 膀胱の真下にあり、尿道を取り囲むかたちで存在し、精嚢が隣接しています。 クルミほどの大きさで、重さは数十グラムです。 主な働きとしては前立腺液の分泌。精嚢から分泌された精嚢液を精巣で作られた精子と混合し精液を作り、射精における収縮や尿の排泄なども担っています。
病名症状検査と治療法など
前立腺がん 前立腺がんは年齢とともに増加し、特に65歳以上の方に多く、80歳以上では20%前後の人に前立腺がんが認められるともいわれています。 比較的進行がゆっくりで、寿命に影響を及ぼさないと考えられる前立腺がんもありますが、中には進行が早く、さまざまな症状や障害を引き起こすものもあります。 進行とともにがんは大きくなり、前立腺をおおう被膜を破って精のう、膀胱の一部などに広がっていくものもあります。 早期の前立腺がんには特徴的な症状は少なく、前立腺肥大症によって排尿困難や下腹部の不快感などがあります。 また、前立腺がんは進行すると骨に転移しやすいため、腰痛などで骨の検査を受けて発見されることもあります。 【検査】
  • PSA(前立腺特異抗原)検査
  • 直腸診・経直腸的前立腺超音波検査
  • 前立腺超音波検査
  • 前立腺生検
  • 腫瘍マーカー
  • CT検査
  • 骨シンチグラムなど
【治療】
  • 手術療法
  • 放射線療法
  • ホルモン療法等の薬物療法など
前立腺肥大症 前立腺は加齢とともに大きくなり、尿道を塞いでしまう場合があります。 尿道を塞ぐと排尿困難や残尿感を自覚し、 日中や夜間に頻繁にトイレに行くなどの症状が出ます。
【症状】
  • 頻尿(夜間頻尿)
  • 残尿感
  • 排尿遅延(おしっこの出方がわるい)
  • おしっこの勢いがわるい など
世界共通で使われている前立腺肥大症の症状の客観的な評価法(IPSS)を下のボタンを押してチェックしてみましょう。
【検査】
  • 尿検査
  • 血液検査
  • 前立腺触診
  • 前立腺超音波検査など
【治療】
点滴による抗生物質の投与その他の薬物療法、内視鏡手術などを行います。
  • α1受容体遮断薬
  • 抗男性ホルモン薬
  • 内視鏡手術
  • レーザー治療 など

前立腺炎 主に大腸菌などのグラム陰性桿菌(いんせいかんきん)と呼ばれる細菌の感染によって発症します。 結石や前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)などの基礎疾患がはっきりしている症例もありますが、感染経路の不明確な症例もあります。
1.急性前立腺炎
【症状】
  • 頻尿や排尿痛
  • 排尿困難
  • 残尿感など
2.慢性前立腺炎
【症状】
  • 排尿困難
  • 排尿困難
  • 残尿感
  • 下腹部の違和感や不快感など
1.急性前立腺炎
【検査】
  • 尿検査、尿培養
  • 血液検査
  • 前立腺触診
  • 前立腺超音波検査など
【治療】
点滴による抗生物質の投与その他の薬物療法などを行います。
2.慢性前立腺炎
【検査】
  • 尿検査、尿培養
  • 血液検査
  • 前立腺触診
  • 前立腺超音波検査など
【治療】
内服による薬物療法、軽い運動などの行動療法などを行います。
急性尿道炎 急性尿道炎の主な原因は淋菌です。淋菌は尿道炎の原因菌でもっとも多いもので、尿道炎全体の4割は淋菌による淋菌性尿道炎です。
【症状】
  • 尿道からの白や黄色、薄緑色の膿
  • 排尿時の激しい痛み
  • 残尿感など
【検査】
  • 尿検査、尿培養
  • 触診など
【治療】
抗菌薬での治療、軽い運動などの行動療法などを行います。淋菌によって急性尿道炎が起きた場合、パートナーも淋菌に感染している可能性が高くなります。 なので、パートナーと一緒に治療を進めることが大切です。
尿道狭窄
(にょうどうきょうさく)
大きく先天性尿道狭窄と後天性尿道狭窄にわかれます。特に後天性尿道狭窄の場合は、外傷性尿道狭窄と炎症性尿道狭窄に分類できます。
【症状】
  • 排尿困難
  • 前立腺炎や精巣上体炎を引き起こすことがあります
【検査】
  • 尿道造影
  • 尿道内視鏡による診断など
【治療】
手術療法では内視鏡を用いて狭窄部を切開したり、尿道切開刀を用いて切開します。 外傷性尿道狭窄では経会陰的に尿道を露出して瘢痕部を切除し、同部を再建します。尿道ブジー、バルーンを用いて狭窄部を拡張する拡張術もあります。
■男性生殖器
男性の外性器全体で精巣・精巣上体・陰のう・陰茎・包皮を含みます。
病名症状検査と治療法など
精巣炎
精巣上体炎
精巣は精子を作り出す他に、ホルモンであるアンドロゲンを分泌する内分泌器官です。 精巣上体は、精巣の横にある器官で、副睾丸ともいわれます。精巣でつくられた精子は、精巣上体を通過し、精管(せいかん)とよばれる管に流れ、最終的に尿道につながります。 精巣上体炎とは、尿のなかの細菌が逆に精巣上体に入りこみ、そこで炎症を起こす病気です。 高齢者の場合、前立腺肥大症・尿道狭窄・膀胱結石により大腸菌が引き起こすことが多く、若い人の場合、尿道炎の原因であるクラミジアや淋菌が炎症の原因の場合が多く見うけられます。
【症状】
  • 陰嚢の痛み・腫れ
  • 足の付け根や下腹部の痛み
  • 発熱
  • 排尿時の痛み
【検査】
  • 尿検査
  • 血液検査
【治療】
基本的に抗生物質を使います。軽症の場合は、内服治療を行います。陰嚢を冷やし、安静を保ちます。 発熱がある場合は、痛みを抑えながら、点滴による治療を行います。
陰のう水腫 陰のうに水が溜まる病気です。小児の場合は様子をみますが、成人の場合は生活に支障が出る場合もあります。
【症状】
  • 陰のうあるいは鼠径部のはれ、痛み
【検査】
  • 超音波検査
  • 尿検査
【治療】
根本的に治療するためには、手術で水のたまった袋(鞘膜)を切除します。小児の場合は、自然治癒の可能性が高いので経過観察します。 3~4歳以降では、大きくなって本人が気にしたり歩きづらい場合には手術を行います。
精巣腫瘍 精巣にできる腫瘍は悪性である可能性が高く、専門医の診察が必要です。比較的若い年齢層と高齢者に多くみられます。 最近では、治療法の進歩により9割以上の人が完治するようになりました。原因は不明ですが、停留精巣(ていりゅうせいそう)や、精巣発育不全などの病気をもっている人は、 精巣のがんになりやすいといわれています。
【症状】
  • 痛み熱もないのに精巣の一部が固く腫れる、など
【検査】
  • 触診
  • 血液検査
  • 腫瘍マーカー
  • 精巣超音波検査
  • X線検査
  • CT検査など
【治療】
陰嚢を切開せず、お腹の下の方から精巣を腫瘍ごと摘出します。精巣摘出によって、もう片方が機能していれば不妊や勃起不全の変化の心配はありません。 転移がある場合、シスプラチン、エトポシド、ブレオマイシンなどの抗がん剤による治療を行います。セミノーマという種類のガンの場合は放射線治療も有効です。
精系静脈瘤 精巣から心臓に戻る静脈(蔓状静脈叢)内の血液が逆流してしまい、精巣の周りに静脈の瘤(こぶ)が出来てしまう状態を指します。 8~9割は左側に生じ、思春期以降に多いのですが小児にもみられ、男性不妊症の原因になることがあります。 左内精索静脈(左側の精巣がぶらさがっている静脈)は、腎臓に血液を戻すときに左腎静脈に合流しまが、 この腎静脈が大動脈と上腸間膜動脈という血管に挟まれて、血液がうまく戻らない、というナットクラッカー現象が原因と考えられています。
【症状】
  • 立ち上がったときに陰嚢に鈍痛
  • 陰のうのサイズが左右で異なる
【検査】
  • 触診
  • 精巣超音波検査など
自己診断に寄る早期発見 立ち上がった姿勢で下腹部に力を入れ、その状態で睾丸を触ってみます。コブのように膨れた箇所がある場合には、精索静脈瘤を起こしている可能性があります。 特に、陰嚢に血管の瘤が数珠(じゅず)状に浮き出ている方は専門医に受診してください。
【治療】
外科的治療が主体となります。
精索静脈瘤高位結紮(こういけっさつ)術:おへその脇あたりの腹部を切開して、 腎臓に近い精巣静脈を縛る方法
腹腔鏡下精索静脈瘤手術: おなかに空けた穴から、外部からスコープや鉗子を入れられる筒を挿入して、スコープで観察しながら腹部、またはそけい部の精巣静脈にクリップをかける方法
顕微鏡下精索静脈低位結紮術:静脈を精巣のすぐ近くでしばる方法などがあります。
■女性泌尿器科
泌尿器科で取り扱う症状・疾患のなかで、特に女性に多く見られるものを取り上げます。泌尿器科というと男性専用で受診が難しいと思う方もいらっしゃいますが、お薬で治る症状も多くありますので、まずはお気軽にご相談ください。
盂腎炎 尿道が男性より短いこと、膣・肛門が外尿道口と近いことなどにより、(急性、慢性ともに)腎盂腎炎は男性より女性の方が多く発症します。
症状その他は上記(※腎盂炎の欄参照)のとおりですが、女性の場合は外陰部を清潔に保つことが重要となります。
急性膀胱炎 原因のほとんどは、尿道から侵入した細菌の感染が原因で起こり、その多くは大腸菌によるものです。 とくに女性に起こりやすい病気です。 誘因としては、長時間トイレをがまん・性行為・過労などによる抵抗力の低下・ストレスなどがあげられます。 (※急性膀胱炎の欄参照)
【症状】
  • 排尿時の痛み(排尿終了時の強い痛み)
  • 頻尿
  • 尿のにごり
  • 残尿感
  • 下腹部痛
  • 尿失禁
  • 血尿 など
【検査】
  • 尿検査
  • 血液検査
  • 腹部超音波検査
  • 残尿測定エコー など
【治療】
  • 抗菌薬(セフェム系やニューキノロン系など)を3日~1週間程度内服。
  • 通常は、1週間以内に症状が改善します。
  • 治療中は十分な水分摂取を心がけ、尿量を増やすようにします。
過活動膀胱 膀胱炎と同じく女性に多く見られる症状です。
主に自覚症状に基づいて診断されますが、尿意切迫感(排尿したくて我慢がきかない状態)を自覚する場合、過活動膀胱の状態にある可能性があります。
排尿筋が過剰に活動することが、原因であり、神経因性と非神経因性に大別されます。
神経因性とは、神経になんらかの障害がある時にみられます。
非神経因性とは、前立腺肥大症などの下部尿路通過障害や加齢変化、骨盤底筋障害などで生じます。
(※過活動膀胱の欄参照)
【症状】
  • 頻尿
  • 切迫性尿失禁
  • 睡眠不足 など
【検査】
  • 腹部超音波検査
  • 膀胱内圧検査
  • OABSS(過活動膀胱症状スコア)による問診
過活動膀胱の評価法(OABSS)を下のボタンを押してチェックしてみましょう。


【治療】
薬物療法と行動療法が主体です。

薬物療法

  • 抗コリン薬(アセチルコリンのはたらきを弱める)
  • β3刺激薬(膀胱の緊張を解く)
  • α1受容体遮断薬(前立腺肥大症が原因の時)

行動療法

  • 生活指導
  • 排泄介助
  • 膀胱訓練
  • 理学療法 など
切迫性尿失禁 急に強い尿意が起こり、トイレにたどり着く前にもれてしまうことがあります。
尿の回数が増えたり、トイレに行きたいと考えただけで尿がもれることもあります。
過活動膀胱(OBA)という病気の1つの症状です。
また、膀胱瘤や子宮脱などの骨盤臓器脱
が関係している場合があります。
【検査】
  • 内診 ※尿道の動きや尿の漏れ具合のほか、骨盤臓器脱の有無を確認
  • チェーン膀胱造影検査
  • 尿流動態検査
  • 膀胱鏡検査

【治療】
  • 抗コリン薬やβ3(ベータスリー)受容体作動薬などの薬物療法
  • 飲水コントロール
  • 骨盤底筋訓練
  • 尿意があっても少しがまんする膀胱訓練などの行動療法
腹圧性尿失禁 お腹に力が入った時に尿が漏れてしまうのが腹圧性尿失禁です。女性の尿失禁の中で最も多い病気です。
骨盤底筋群という尿道括約筋を含む骨盤底の筋肉が緩むために起こり、加齢や出産を契機に出現したりします。
【症状】

下記の状況で尿漏れを起こします

  • 咳やくしゃみをしたとき
  • 急に走ったとき
  • 重い荷物を持ったとき
  • 笑ったとき
【検査】
  • 尿検査
  • 内診 ※尿道の動きや尿の漏れ具合のほか、骨盤臓器脱の有無を確認
  • チェーン膀胱造影検査
  • padテスト
  • 尿流動態検査
  • 膀胱鏡検査

【治療】
  • 過活動膀胱に準じた薬物療法や膀胱の出口の緊張を高め失禁を改善する薬物療法もあります。
  • 軽い症状の場合は、骨盤底筋訓練で尿道のまわりにある外尿道括約筋や骨盤底筋群を強くすることで、改善が期待できます。
  • 肥満の方や最近急に太った方では、減量が有効なことがあります。
  • 手術にはポリプロピレンメッシュのテープを尿道の下に通してぐらつく尿道を支える「TVT手術」、「TOT手術」等があります。
骨盤臓器脱 出産経験のある女性の約4割が発症すると言われる病気で、骨盤にある臓器である子宮、膀胱、直腸などがだんだんと下がってきて、膣から体外に出てしまう病気をいいます。
脱出する臓器により、子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤、小腸瘤、膣脱などに分かれ、これらが単独または同時に出現してきます。
【症状】

下腹部や膣の中にものが降りてきたような違和感や、入浴時に膣から丸いものがふれるというのが初期症状です。
これらの症状は一般的に午前中よりも活動した午後に多くみられます。進行すると,次第に尿や便が出しにくくなります。
さらに膣壁が下着にすれて出血し,歩行も困難となります。

【検査】

問診と内診台での診察を行います。わざと咳をしたり力んだりしていただき、骨盤臓器脱の種類や程度を確認します。
  排尿状態を確認するために尿流測定やエコーによる残尿測定、チェーン膀胱尿道造影検査、尿流動態検査、膀胱鏡検査などの詳しい 検査を行うこともあります。

【治療】
  • 骨盤底筋訓練
    • 軽度の下垂の場合は、骨盤底筋訓練で骨盤底筋群を強くすることで、症状の改善が期待できます。
  • ペッサリーリング
    • 膣内にペッサリーリングを入れて、骨盤内臓器の脱出を防ぎます。3~6ヵ月毎に外来で交換します。
  • 手術療法
    • 症状が強い場合は手術が適応になります。  脱出している臓器や程度によって、従来型のメッシュを使用しない手術、経腟メッシュ(TVM)手術、腹腔鏡下仙骨膣(子宮)固定(LSC)術などがあります。





■小児泌尿器科
小児にみられる腎・尿管・膀胱・尿道などの尿路系疾患と、男児の精巣・陰茎や女児の外陰部の疾患など生殖器疾患を対象として診療します。
夜尿症 5歳を過ぎても週に2-3回以上の頻度で、少なくとも3ヶ月以上連続して夜間睡眠中の尿失禁(おもらし)を認めるもの
【検査】
  • 夜間尿量の測定やぼうこう容量の測定
【治療】

まずは、家庭での生活習慣改善を行います。


  • 中途覚醒を強制しない
  • 夕方以降の飲水を控える
  • 尿をぼうこうに十分に溜められるようにすることを目的とした排尿抑制訓練

欠席がいじめのきっかけにならないよう、学校行事にはできるだけ参加させるようにします。
  生活指導で改善がなければ、・薬物療法、アラーム療法を検討します


先天性尿路奇形 尿が作られる腎臓、尿の通り路の尿管や膀胱・尿道など尿路が、生まれながらに構造が異なり、機能異常を複合した病気です。
多くは腎尿路単独の異常である一方、複数の臓器異常の一つとして腎尿路異常を合併する奇形症候群も多くみられます。
自覚症状に乏しく、発見のためには超音波検査をはじめとする画像検査が必要になります。
【検査】
  • 最初に行われる検査はエコーですが、症状によってはCTやMRIなど、シンチグラムや透視検査などがあります
【治療】
  • 手術治療や薬物治療があります
包茎 包茎(ほうけい)とは、陰茎(いんけい)を包んでいる皮の出口が狭いために、陰茎の先が出ない状態のことです。
これによって感染が起きたり、尿を出しにくくなったりすることがあります。
しかし、2次性徴とともに陰茎が大きくなり包茎が解消または仮性包茎状態になるので、 一般的には治療が必要になる可能性の方が低いといえます。

ただし、包皮口が極端に狭くて排尿するときに一度包皮に尿が貯まってから排尿するような現象を伴ったり、亀頭包皮炎を繰り返すような難症例になります。
心配な方は一度ご相談ください。

【検査】
  • 内診で確認します。
【治療】
  • 内科的治療(軟膏治療) ステロイド剤を使用し、包皮を柔らかくして剥けやすくします。
  • 外科的治療(手術) 手術で余剰包皮を切除します。
  • むきむき体操(皮をむく習慣)などで、効果が期待できる場合があります。

※手術について、詳しくはご相談ください

亀頭包皮炎 亀頭包皮炎とは、男性の亀頭や包皮に、細菌やカンジダが感染して炎症を起こす病気です。
陰茎の先端部分の亀頭と、亀頭を覆う皮膚の間に垢がたまり、そこに細菌が繁殖して炎症などが起こることが原因です。
【症状】
  • 亀頭、陰茎、包皮は、粘膜の表面に、赤み・びらん・亀裂・かゆみ・皮むけ・痛み・膿などの症状があります。
【検査】
  • 基本的には視診です。原因となる菌を特定するため、炎症が起こっている亀頭包皮を綿棒で擦り培養検査に提出することもあります。

【治療】
  • 症状が軽い場合には、抗生剤とステロイドの混合軟膏を1日に2回程度炎症部位に塗布することで治癒します。
  • 菌が皮膚の深部に染み込んでいる場合や軟膏の抗生剤に耐性の細菌も多く、症状に応じて抗生物質の飲み薬を併用することがあります。

※手術について、詳しくはご相談ください。

神経因性膀胱
(2分脊椎)
神経因性膀胱とは、神経のなんらかの異常が原因となって膀胱(ぼうこう)や尿道の機能に異常がみられる状態です。
2分脊椎症とは、生まれながらにして脊椎(背中の骨)の形成不全があり、また同時に脊椎の中にある脊髄の機能が障害を受けている先天疾患のひとつです。
【症状】
  • 神経因性膀胱では、尿をためる機能や、ためた尿を排尿する機能に問題が生じます。
  • 2分脊椎症では、特徴的な症状として運動障害、知覚障害、水頭症、膀胱直腸障害(排泄障害)などがあります。
【検査】
  • 神経因性膀胱の検査としては、問診、尿検査、尿流測定、残尿測定、超音波検査、採血、排尿日誌、内圧尿流測定などを行います。
  • 2分脊椎症の検査としては、皮膚の上からのエコー検査で分かる場合もありますが、正確な診断を行うためには、MRI検査を行います。

【治療】
  • 神経因性膀胱の治療としては、自分で尿を出せる自排尿の方は薬物治療(尿道を緩める薬と膀胱を収縮させる薬)と生活指導を行うことで経過観察を行います。自分で排尿できない、もしくは排尿した後に残尿があまりにも多い場合には、カテーテルを患者様が自分で定期的に挿入し定期的に尿を抜く(自己導尿)指導を行います。
  • 2分脊椎症の治療法としては、 潜在性二分脊椎(脊髄脂肪腫、先天性皮膚洞)で、脊髄係留(引っ張られている)を認めている場は、脂肪腫を摘出したり、引っ張られている組織を切除したりして、係留を解除する方法があります。

※手術について、詳しくはご相談ください。

■性感染症外来
「性行為で感染する病気」を総称して、性感染症(STI:Sexually Transmitted Infection)といいます。
ウイルス、細菌、原虫などが、性器、泌尿器、肛門、口腔などに接触することで感染します。 しかし、症状が軽かったり、なかったりすることもあり、気がつかない間に感染していることがあります。 早めの診断をおすすめします。
クラミジア感染症 クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマチスという病原体が、性行為などにより粘膜に感染します。
【症状】
  • 多くの場合は症状が弱いことが多く、排膿も少なく、痛みも淋病ほどは強くありません。

【検査】
  • 検尿とPCR検査をします。
【治療】
  • 抗生物質の内服薬を使用します。
  • パートナーの治療が必要となることもあります。
淋菌感染症 淋菌感染症とは、「淋菌」という菌が原因となって発症する性感染症の1つです。
性行為(セックス、オーラルセックス、アナルセックス)などで粘膜に感染するため、とても感染しやすい病気の1つでもあります。
潜伏期間は2〜7日ほどで、感染部位は男性の場合は尿道や肛門、女性の場合は膣です。
【症状】
  • 女性:男性よりも症状に気付きにくいです。症状がある場合は、緑黄色の濃いおりものや、尿道から膿(うみ)が出ます。
  • 男性:尿道のかゆみや熱っぽさから始まり、粘液や黄色の膿(うみ)が出ます。排尿時の痛みがひどくなります。

【検査】
  • 尿や分泌液、おりもの、喉(いん)頭擦過物、咽喉頭うがい液から培養検査をします。
  • またはPCR検査をします。
【治療】
  • 淋菌は耐性菌が多く、注射による抗生剤治療が一般的です。パートナーの治療が必要になることもあります。
マイコプラズマ感染症 マイコプラズマ感染症は肺炎や気管支炎を起こす病気ですが性感染症としても知られています。
【症状】
  • 比較的強い排尿痛を生じます。排膿も認めます。
  • 潜伏期間は通常2~3週間で、初発症状は発熱、全身倦怠、頭痛などがあります。
  • 咳は初発症状出現後3~5日から始まることが多く、解熱後も3~4週間続くこともあります。

【検査】
  • 現在のところマイコプラズマ尿道炎を診断するキットは一般的にはありません。症状や除外診断となります。
  • 女性:男性よりも症状に気付きにくいです。症状がある場合は、緑黄色の濃いおりものや、尿道から膿(うみ)が出ます。
【治療】
  • 抗菌薬を用います。
梅毒 梅毒とは、梅毒トレポネーマという細菌が粘膜から感染することによって起こる病気です。
主な感染経路は性行為とされていますが、感染者の体液や血液に触れることによって皮膚の傷口や粘膜から感染するケースもあります。
【症状】
  • 梅毒の症状は、時間の経過と共に症状が全身に進行していきます。
  • 一時的に症状が消える時期もあるので、治ったと勘違いされることもありますが、そこから症状が悪化して現れるようになります。
  • 感染から4期に分けて現れるようになっています。

【検査】
  • 問診や視診で症状を確認し、血液検査を行います。血液検査では、血中の抗体を確認することができます。
【治療】
  • ペニシリン系の抗菌薬の内服や注射による治療が行われます。
  • ペニシリン・アレルギーの患者様には、他の薬を使用します。
  • 症状がひどい場合には対症療法を用いますが、一時的なものなので1日ほどで改善されてます。
尖圭コンジローマ 尖圭コンジローマとは、性感染症の1つであり、性行為や性行為に似た行為によって感染します。
【症状】
  • 尖圭コンジローマは、性器周辺や肛門周辺にイボができることが症状の特徴です。
  • 最初は小さな先が尖ったような形をしたイボですが、放っておくとイボのサイズは大きくなっていき、数も増えていき、イボ同士がくっつくことでカリフラワーのような形状になります。

【検査】
  • 問診で症状や感染している部位を伺い、視診でイボを確認することで判断します。
【治療】
  • 治療方法は、外科療法と薬物療法の2種類があり、外科療法では、電気メスやレーザーによって焼却したり、液体窒素によって凍結したりします。
  • 薬物療法の場合、軟膏を用います。
性器カンジタ症 性器カンジダ症は、一般的にカンジダ属の真菌(しんきん)というカビの一種によって起こる、性行為でうつる病気の1つです。
【症状】
  • 女性は、陰部に強いかゆみがあります。おりものが白く、ヨーグルト状になったり、かたまりができ、性器の炎症(痛みや熱感)、セックスの時に痛みが生じることもあります。
  • 男性は、無症状か、またはかゆみがあります。ペニスの先端が赤くなったり水泡ができることもあります。

【検査】
  • 男性については、尿検査や皮膚擦過検査を行います。
  • 女性については、膣分泌物(綿棒での拭い)検査や皮膚擦過検査を行います。
【治療】
  • カンジダの菌が繁殖しにくい環境を保ちながら、抗真菌剤を塗布して治療します。
■メンズヘルス外来
(一部を除き自由診療)
男性更年期障害,排尿障害などの男性特有の疾患の診断及び治療を プライバシーに配慮しつつ、きめ細かな問診・治療を行います。
勃起障害
(ED)
勃起機能が低下することによって、起こる症状で、日本人男性に増えている症状としても知られています。
軽度の勃起障害では、たまには完全に勃起できる場合がありますが、 たいていは挿入できるほどの勃起に達しないか、あるいはまったく勃起しません。重度の勃起障害では、勃起することはまれです。
原因として、動脈が狭窄して血流量が減少する障害などが考えられます。
【症状】
  • 陰茎が十分に硬くならない、膣内へ挿入できない、性交の途中で勃起が中断するなど、勃起が起こらない
  • 硬さが不十分、勃起状態が維持できないなど、満足な性交が行えるだけの勃起が得られない。
【治療】

大半の勃起障害の治療薬には、陰茎への血流を増加させる作用があります。

内服薬がほとんどですが、局所的に使用するものもあります。

テストステロン濃度が異常に低いため勃起障害が生じている場合は、 テストステロン補充療法が役立つことがあります。

陰茎への血流量を増やす他の薬とは違い、テストステロンはホルモン欠乏を修正します。

勃起障害に関与している精神的、感情的要因は、ある種の心理療法で改善できます。

  • 【治療内容】
    • 投薬を用いた治療です。
  • 【治療期間・回数】
    • 期間:1日
    • 回数:1回
  • 【費用】
    • 薬剤例:バイアグラ1錠 1,600円(税込)程度です。
    • ※初診、再診については、別途費用がかかります。
  • 【リスク / 副作用】
    • 服用後にほてり、高血圧、紅潮、胸痛、動悸、頭痛、昏迷、めまい、血清総蛋白減少、CK上昇、BNP 上昇、下痢、消化不良、陰茎疼痛、かゆみ、Ht 減少、彩視症の症状が出る場合もあります。
薄毛治療
(AGA)
AGAとは、成人男性が発症する脱毛症のことで、徐々に薄毛・抜け毛が進行する疾患です。
男性特有の脱毛症で、額の生え際や頭頂部を中心に、髪の毛が細く抜けやすくなり、抜け毛が増え、頭皮が見えるほど薄くなる症状です。
【治療内容】
  • 内服薬による治療を行っています。

【治療期間・回数】
  • 期間:薄毛が改善されたと実感するまでには6ヶ月~1年必要です。
  • 回数:月1回程度
【費用】
  • 約9,800円(税込)程度です。
【リスク・副作用】
  • 男性器機能(勃起機能障害・射精障害)障害や肝機能障害が起こる事があります。
精管結紮
(パイプカット)
パイプカットとは男性の避妊手術のひとつであり、正式には精管結紮術といいます。
両側の精管を切断することによって精巣から精液の中に精子が送り出されないようにします。
当クリニックではエキスパートによるパイプカットを行っております。
【治療内容】
  • 局所麻酔をして精子を送る管(精管)を切断して結紮する。
【治療期間】
  • 日帰り手術
【治療回数】
  • 1回
【費用】
  • 132,000円(税込、術後の内服薬・検査費用総て込み)
【リスク / 副作用】
  • 皮膚を切開しますので軽微な出血や感染、陰嚢部痛をきたす可能性があります。
  • 精子の通り道の再開通が2000件に1件発生するといわれています。
  • ※術後3ヶ月後に精液検査で0になったかを確認します。
包茎手術 仮性包茎で心理的悩みを抱えている方が対象です。正式には環状切開術といいます。
当クリニックではエキスパートによる術後のデザインを充分考慮した手術を施行しています。
【治療内容】
  • 局所麻酔をして余剰な包皮を切除し再度縫合。抜糸が必要のない糸を使用します。
【治療期間・回数】
  • 期間:日帰り手術
  • 回数:1回
【費用】
  • 110,000円(税込)程度
【リスク / 副作用】
  • 皮膚を切開しますので軽微な出血や感染の可能性があります。